質問一覧
膝治療でウォーキングが良いと言われていますが、どのようにお考えですか?
膝・股関節が悪くインソールの使用を勧められましたがどうしたら良いのでしょうか?
階段を下りる時に膝関節が痛みます。治療を受ける時の留意点を教えて下さい。
階段を上る時膝関節が痛みます。治療を受ける上での留意点はありますか?
してはいけない日常生活における動きおよび運動法はなんですか?
専門医に運動しなさいと言われましたが、何をすれば良いですか?
膝・股関節で受診しましたら筋力強化のためスクワットを勧められました。
回答一覧
Q1. 膝治療でウォーキングが良いと言われていますが、どのようにお考えですか?
A1. 当院でも条件等はありますがお薦めしております。
しかし膝の損傷が激しいものや軟骨が減少、さらに変形の激しい膝の方は逆効果となりますのでご注意ください。目安としましては
1.膝に熱感がある場合は行わないでください。
2.足底にタコ、イボ等の障害物がありこれをかばうためにご自分で変な歩き方をしているなと感じられ場合は行わないでください。
3.O脚/X脚がある方は、O脚/X脚を治療しながら行って下さい。
Q2. 膝・股関節が悪くインソールの使用を勧められましたがどうしたら良いのでしょうか?
A2. 私共は原則としてインソールの使用は膝と腰の負担および機能低下を招くと考えて反対しています。
まず、インソールの前には痛みや機能低下で現れた脚長差を調整することが必要と考えています。
ではなぜ、脚長差はおこるのでしょうか?
これは痛みや可動域の変化により、骨盤の歪みを併発しているからに相違ありません。
そこでまず、
①骨盤の調整
②膝・股関節・足関節等の可動域の調整
③各関節の筋力間バランスの調整
上記3点の調整を行った後、インソールの使用を行うべきだと考えます。
上記の3点の調整を行わずにインソールを使用すると、腰痛・ひざ・股関節痛・足関節痛さらに首・肩こりなどを誘発する可能性が高まります。
Q3. 膝の運動法として大腿四頭筋の強化を行えば効果が望めますか?
A3. はい。強化することによって効果が望める症状もあります。
しかしながら、大雑把な意見ですが変形性の膝や膝蓋骨(皿周囲)の痛みのある方は行わない方が良いようです。
具体的には膝疾患における半数近くの病名では、行わないほうが良いと考えます。まず大腿四頭筋、更にそれにつながる四頭筋腱や膝蓋下靭帯を伸ばすことが最重要であり、大腿四頭筋の強化は二の次です。
まず膝関節の8の字ゆらしを行い、可動域の拡大と痛みの軽減を行ってから四頭筋の強化することが有効だと考えます。
Q4. 膝関節はどんな働きをするのですか?
A4. 体重を受け止め、姿勢の安定や歩行動作に関して重要な働きを行います。
しかしながら膝関節の特性として、前後の動きが主となり、股関節のような様々な動きはできません。
Q5. 膝関節の痛みの発生について教えて下さい
A5. 当院ではだいたい下記の5種類と考えております
1、加齢に伴う現象
・軟骨の減少
・靭帯や筋肉の機能低下により自らの生活において発生する痛み
2、長年の荷重点の状態により自らの生活において発生する痛み
・仕事
・スポーツ
・生活習慣
・社会的環境
・くせ等による痛み
3、急激な外からの力によって発生する痛み
・スポーツによる損傷
・事故や怪我による痛みの発生
4、脳疾患や内臓の作用による痛みや機能低下
・脳疾患ならば拘縮や麻痺
・内臓疾患ならば防御的姿勢による痛みの発生
5、膝関節の上位関節・下位関節の痛みにより連動して発生する痛み
6、筋肉・靭帯・関節包や神経の連動によって発生する痛み
Q6. 階段を下りる時に膝関節が痛みます。治療を受ける時の留意点を教えて下さい。
A6. 下りる時に痛みを発生する場合は、膝蓋大腿関節症の方が多く、まれに脱臼の後遺症の方にみられます。これはおおまかな治療方針として膝蓋骨(皿)の位置と動きの異常が原因と考えられます。
この疾患ではO脚を伴う変形性膝関節症と同じく温熱治療や四頭筋の筋力強化は症状を悪化する原因となります。
ポイントとしては上位関節と下位関節との連動及びバランスの治療を考える必要があります
※大腿四頭筋の強化は絶対行わないでください
Q7. 階段を上る時膝関節が痛みます。治療を受ける上での留意点はありますか?
A7. 上りの時に痛みを発生する場合は、O脚を伴う変形性膝関節症が多く治療に際しては炎症などの筋肉・靭帯・軟骨が損傷しているかを考えながらまずO脚の修正を図る必要があると考えます。
この疾患は膝蓋大腿関節症の方と同じく温熱治療や四頭筋の筋力強化は症状を悪化する原因となります
ポイントとしては上位関節と下位関節との連動及びバランスの治療を考える必要があります。
※上る時の膝の痛みは足指を外に向けて登っていただくと痛みが軽減される方が多いようです
Q8. O脚にはどうしてなるのですか?
A8. O脚になる骨は痛いからなるといった理論ではなく、痛くない位置を探すといった結果に基づいてのO脚になると考えます。
すなわち関節の痛みを防御する為に、関節自身が居心地の良い場所を探した結果に基づいたO脚と考えるべきではないでしょうか。
※O脚の疾患をもつ多くの方は脛骨(脛骨)が軽度、内側にねじれてる方がよくみられます。
Q9. してはいけない日常生活における動きおよび運動法はなんですか?
A9. 1.体重をかけての運動
2.関節を支点にしての運動
3.関節にひねりが加わる運動
4.関節に衝撃を与える運動
Q10. 痛みの発生のメカニズムとは?
A10. 多数の学説が在りますが、当研究所の私見を述べますと
【1】筋骨・軟骨・靭帯・血管神経・軟部組織の損傷と関節液の変性
【2】血液性状の変化
【3】靭帯構成上の異常、すなわちアライメント(体重の荷重部位)の異常によるもの
(1)急激な外力(事故・怪我)
(2)慢性的な外力(仕事・日常生活)
(3)脳・脊髄神経からの痛みや内臓疾患によるもの又は内臓の痛みを軽減させるための防御的(かばう)姿勢によるもの
(4)その他
以上に分類しております。
膝・股関節の痛みでは
(5)として関節包の内圧の上昇という事が重要な原因となっている事を忘れてはいけません。
Q11. 何故膝・股関節に痛みが発生するのですか?
A11. それは大きく分けて3つの原因が考えられます。
【1】先天性の疾患
例)先天性股関節脱臼・小児マヒなどの骨の構造的なものや脳疾患が原因となるもの。
【2】突発的な事故・ケガなどによるもの。
【3】職業と日常生活等永年に渡って徐々に悪化してきたもの。
例)職業病・生活動作病と呼ばれるもの。
【4】急激な体重の増減
以上にまとめる事が出来ると考えます。
Q12. 専門医に運動しなさいと言われましたが、何をすれば良いですか?
A12. おそらくプールに行き、または、自転車で太ももの全面にある筋肉を鍛えなさいと言われたと推測します。
そこで当研究所の経験と研究によれば
a)プールでは、プールサイドのへりを持ち、膝を完全に伸ばします。足首を90度に屈曲し、水を蹴るように歩いてください。当初50mの歩きから徐々に増やしていく事が必要です。この場合膝蓋骨(皿)の上に痛みが生じる時は中止して痛みが消えるのを待って再度行ってください。
*後ろ歩きは行わないでください。横歩きも同様に注意が必要です。また膝を高く上げる、歩幅を大きくとる動きもしないでください。
b)泳ぎ方ではクロール・背泳ぎが効果的です。
逆に平泳ぎは絶対に行わないでください。バタフライについても同様です。※背泳ぎにつきましては、初心者のうちは効果的な泳法ですが、上手になりましたらさほど効果はなくなると思われます。(上手になると背中をまっすぐ伸ばした状態で行うため)※残念ながら水中エアロビは疾患のある方にはお勧めできません。
c) 自転車こぎですが、筋力アップを目的とするならば自転車で街へ出かけるのではなく、自宅で自転車のスタンドを立て、ペダルを漕ぐ時に膝の屈曲角が65度を超えないようにサドルを上げて行ってください。
サドルの位置が低く膝の屈曲が65度以上ですと、膝の内部に負担が掛かり症状が悪化する場合があります。
Q13. 膝・股関節で受診しましたら筋力強化のためスクワットを勧められました。
A13. 膝関節・股関節の病気では基本的に痛み・腫れ・熱・水腫が有る場合は、スクワットのような膝関節・股関節に体重や負荷(掛かる)する運動は絶対に駄目です。すぐに中止してください。
症状がより悪化する症例が数多くみられます。
Q14. 膝関節・股関節に対して良くない事は何ですか?
A14. 膝関節・股関節に悪影響を及ぼす事柄として
【1】体重の増加。
【2】関節への衝撃や捻り。
【3】不自然な歩き方や動作(無理な動き)。
【4】筋力の低下。
【5】痛みと熱が有る場合の温熱治療。
【6】違和感が発生しているのに正しい治療を行わない、または軽く考える。
【7】筋力は自分で運動しないとつきません。他人まかせにしない。
以上を心掛けてください。
コメント